『成長すると感じるピースが欲しい銘柄』
- 利益率は高いが割高株
- 円安・成長性から減配の可能性が高い
- 累進配当から業績連動へ修正
- 配当利回り・安定性は高い
高配当株として有名で、現在株価が急上昇している「JT」。今回は、そんなJTに投資をする上で最低限頭に入れておきたい7項目のファンダ分析と企業概要についてまとめていきます。
- 企業概要を知りたい
- PFに組み込むべきか知りたい
- 最低限のファンダ分析を知りたい
JT[日本たばこ産業](2914)
世界3位のタバコ販売会社
グローバル・タバコ・メーカーとして
130カ国以上の国と地域で販売しています。
JTは日本専売公社が
1985年に民営化して発足しました。
JTの前身企業である「日本専売公社」は
かつて三公社五現業と呼ばれた
公共企業体の一つです。
- 日本専売公社(現JT)
- 日本電信電話公社(現NTT)
- 日本国有鉄道(現JR)
上記3社を「三公社」と呼び
いずれも民営化されることになります。
国内企業からグローバル企業へ
JTは設立当初より
「国内企業からグローバル企業へ」
という目標を掲げていました。
しかし、当時の海外売上比率は極めて低く
海外のタバコメーカーをM&Aすることで
現在では世界3位となりました。
医療・食品も手がける
売上高 | 営業利益 | |
---|---|---|
たばこ事業 | 2兆4174億円 | 6794億円 |
医薬事業 | 829億円 | 111億円 |
加工食品事業 | 1555億円 | 42億円 |
その他事業 | 20億円 | -411億円 |
事業別構成比は
国内たばこ28.0%・海外たばこ59.2%
医療5.1%・食料7.3%となっています。
たばこの取扱ブランドは
下記の通りです。
- メビウス
- セブンスター
- キャメル
- ホープ
- ウィンストン
- ピアニッシモ
- ピース
ファンダメンタルズ分析
配当りまわりに納得できるか
- 配当性向75%
- 業績連動型
- 高利回りだが減配の恐れあり
JTの配当方針は
「配当性向75%を目安」
としている業績連動型の銘柄です。
配当金の継続性の観点から
配当性向は50%以下であることが
ベストと言われています。
現在の利回りは高いですが、
累進配当を宣言しているわけではないため
下がる可能性がある点で注意が必要です。
JTは2021年までは
累進配当でした。
累進配当の銘柄も
経営状況により配当方針が変わるので
注意が必要です。
『2021年以前』
減配せず現状維持もしくは増配を続ける
『2021年以降』
配当性向75%を目安とする
EPSは安定、成長しているか
- 安定しているが成長性なし
- 景気に強い
- 短期間での大幅な需要減少はない
- 現状、今後の成長が厳しい
- 円安が終わると利益も落ち込み
たばこ市場縮小のリスク
若者のタバコ離れが進み
需要が落ちており、
販売価格を上げることで利益を保っています。
中毒性のあるタバコ事業は
一度吸い始めるとやめづらいため
景気に強く売上が急落することはないです。
ですが、シェアの拡大がない限り
喫煙者が減少し尻すぼみになるため
長期的に見る際には注意が必要です。
円安の影響
そのため現在のような
歴史的円安が終わった際に
業績が落ち込み減配する可能性が大きいです。
- 国内たばこ28.0%
- 海外たばこ59.2%
- 医療5.1%
- 食料7.3%
PERは5年レンジで低い水準か
- 安定して横ばいのPER
- 現在は割高な水準
JTのPERは安定しており
平均値12.6倍で
横ばいで推移しています。
PBRは5年レンジで低い水準か
- 過去5年レンジで高い水準
- 33円大増配の影響か
2023年付近まで
減少傾向でしたが
以降上昇しています。
というのも、2022年3Q決算で
150円→188円への大増配を発表したため
株価が上昇しPBRが高まりました。
営業利益率は10%以上か
- 安定して20%以上を推移
自己資本比率は業界平均より高いか
- 業界平均より低い数値
- 一般的には低くない数値
一方で、自己資本比率が
低すぎるというわけではないので
悲観しすぎることはないと思います。
2022年にはかなり上昇、
業界平均に近づいています。
ROEは業界平均より高いか
自己資本比率が
低いことを加味しても
高い水準だと言えます。
まとめ
『成長すると感じるピースが欲しい銘柄』
成長すると感じるワンピースが欲しい銘柄
- 利益率は高いが割高株
- 円安・成長性から減配の可能性が高い
- 累進配当から業績連動へ修正
- 配当利回り・安定性は高い
PER・PBRともに高い水準で
割高ですが、利益率は高くなっています。
現在は円安の影響もあり
利益の増加で配当も増加していますが、
円安が終わった際の減配のリスクが大きいです。
かつては累進配当銘柄でしたが
2021年以降
業績連動型へと修正されています。
ポートフォリオに組み込むべきかどうか
タバコの性質上
すぐに売上が落ちるということは
考えにくいです。
ですので、
「成長する材料が今後出るかも、、」
程度の気持ちで
減配で3%を下回らないうちは
分散投資としてポートフォリオの片隅に
仕込んでおいてもいいかもしれません。
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