『割安で利益効率がいいがリスキーな銘柄』
![ECのまとめ画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC.png)
- 割安で利益効率は良い
- コロンビア政府次第で変動する利回り
- 景気敏感株によるEPSの不安定さ
- 有利子負債130%の財務懸念点
近頃何かと話題の超高配当株「エコペトロール」。今回は、そんなエコペトロールに投資をする上で最低限頭に入れておきたい7項目のファンダ分析と企業概要についてまとめていきます。
- 企業概要を知りたい
- ADRとは何か知りたい
- 最低限のファンダ分析を知りたい
エコペトロール(EC)
コロンビアの政府系石油会社
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ekopetorol-1.jpeg)
コロンビアを拠点に
原油および天然ガスの開発・生産を行う
総合エネルギー企業です。
炭化水素の生産・輸送・物流、
炭化水素精製システムや
送電事業を手掛けています。
政府もしくは国が最大の投資者である企業。
政府所有会社・国営事業とも呼ばれる。
ADR(米国預託証券)とは
米国以外の国で設立された企業が
発行した株式を裏づけに
米国で発行される有価証券のことです。
![ADRをわかりやすくまとめた画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ADR.png)
つまり、米国にない株式を
あたかも米国に上場している企業のように
米国で取引できる仕組みがADRです。
コロンビアの情勢
1960年代から
政府軍、左翼ゲリラ、極右民兵の
三つ巴の内戦が50年続いています。
麻薬戦争による暴力が横行し、
世界で最も危険な国の一つへ
一方で、21世紀以降
コロンビアは治安の回復に成功し
アメリカ大陸における主要国に位置付けられました。
![](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/tameshi-edited.png)
現在は治安が回復したようですが
情勢の悪材料一つで株価が下がる
ことも念頭に入れておきたいですね
ファンダメンタル分析
配当利回りに納得できるか
![配当利回りに納得できるかの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q1-1-1024x1024.png)
![配当利回りに納得できるかの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q1-1-1024x1024.png)
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC配当推移-1.png)
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC配当推移-1.png)
- 脅威の利回り
- 安定しない配当
- 業績連動型
高ければ優良会社というわけではなく
何かしらのリスクを内包しているから
高い利回りになっていることが多いです。
また、グラフの推移も安定せず
2016年には無配当になるなど
業績連動型であることが伺えます。
配当が高い理由
エコペトロールは
コロンビア政府が大株主の
国営企業です。
そして、エコペトロールの配当は
株主であるコロンビア政府も
受け取ります。
つまり、エコペトロールの配当は
コロンビア政府の収入源のため
配当が高いという訳です。
EPSは安定、成長しているか
![EPSは安定、成長しているかの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q2-1-1024x1024.png)
![EPSは安定、成長しているかの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q2-1-1024x1024.png)
![ECのEPS推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ECEPS推移-2.png)
![ECのEPS推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ECEPS推移-2.png)
- 景気敏感株
- 成長しているが安定感はなし
- 同じテーマのINPEXと似ている
![INPEXのEPS推移の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/INPEXEPS推移-2.png)
![INPEXのEPS推移の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/INPEXEPS推移-2.png)
同じ石油がテーマで景気敏感株の
INPEXと比較すると、
EPS推移が似ていることがわかります。
![](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/tameshi-edited.png)
![](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/tameshi-edited.png)
![](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/tameshi-edited.png)
どちらも景気敏感株なので
業績推移が似通ってきますね
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/inpex-top-300x169.png)
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/inpex-top-300x169.png)
PERは5年レンジで低い水準か
![PERは5年レンジで低い水準かの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q3-1-1024x1024.png)
![PERは5年レンジで低い水準かの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q3-1-1024x1024.png)
![ECのPER5年の推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ECPER5年-3.png)
![ECのPER5年の推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/ECPER5年-3.png)
- 過去5年で低い水準
- INPEXと似た推移
コロナによるEPSの下落により
一時57.3倍の割高株へなりました。
一方、翌年にはすぐにEPSを戻し
PERも過去より低い水準へなっています。
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/inpex-top-300x169.png)
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/inpex-top-300x169.png)
PBRは過去5年で低い水準か
![PBRは5年レンジで低い水準かの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q4-1-1024x1024.png)
![PBRは5年レンジで低い水準かの指標の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q4-1-1024x1024.png)
![ECのPBR5年推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTTPBR5年-4-2.png)
![ECのPBR5年推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTTPBR5年-4-2.png)
- 5年レンジで低い水準
- BPSは右肩上がり
- 財務安定力が高い
株価の下落により
PBRが下がっているのかと思いましたが、
2021年からBPS(一株あたりの純資産)
は6割近く前年から右肩上がりで上昇し
財務安定力が高まっていることがわかります。
売上高営業利益率は10%以上か
![売上高営業利益率は10%以上かの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q5-1-1024x1024.png)
![売上高営業利益率は10%以上かの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q5-1-1024x1024.png)
![ECの営業利益率の推移の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC営業利益率-5.png)
![ECの営業利益率の推移の画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC営業利益率-5.png)
- 営業利益率は10%を余裕で超える
営業利益率は10%を
余裕で超えた水準のため
かなり競争力があると言える。
自己資本比率は業界平均より高いか
![自己資本比率は業界平均より高いかの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q6-1-1024x1024.png)
![自己資本比率は業界平均より高いかの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q6-1-1024x1024.png)
![ECの自己資本比率の推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC自己資本-6.png)
![ECの自己資本比率の推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC自己資本-6.png)
- 同業他社と比べ低い水準
- 有利子負債は130%越え
- 利息の返済を賄えない危険な状態
比較企業は石油とガスがテーマの
時価総額が1位と2位の銘柄です。
- 1位:エクソン・モービル
- 2位:シェブロン
年々自己資本比率が
減少しているのが気になります。
有利子負債比率が100%を超え
利息のある返済を自己資本だけで
まかなえない状態になっています。
危険な負債状況
④PBRで「純資産が右肩上がり」
で財務安定性が高まっている
としましたが、
負債の状況を加味すると
純資産の増加以上に借入が大きくなっており
有利子負債が増加し危険だといえます。
ROEは業界平均より高いか
![ROEは業界平均よりも高いかの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q7-1-1024x1024.png)
![ROEは業界平均よりも高いかの指標画像](http://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/q7-1-1024x1024.png)
![ECのROE推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTTROE-7.png)
![ECのROE推移の画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTTROE-7.png)
- 同業他社と比べ高い水準
- ⑥の影響で高く誤魔化せている
しかし、⑥自己資本比率が
低いことが原因で
ROEが高くなっていると考えられます。
そのため手放しで喜べない状況です。
まとめ
『割安で利益効率がいいがリスキーな銘柄』
![ECのまとめの画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC.png)
![ECのまとめの画像](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/EC.png)
割安で利益効率がいいがリスキーな銘柄
- 割安で利益効率は良い
- コロンビア政府次第で変動する利回り
- 景気敏感株によるEPSの不安定さ
- 有利子負債130%の財務懸念点
一方で、
- コロンビア政府次第で変動する利回り
- 景気敏感株によるEPSの不安定さ
- 有利子負債130%の財務懸念点
といった、決して無視はできない
リスクを内包した銘柄となっている。
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTT利回り-8-2.png)
![](https://yotsuhara.com/wp-content/uploads/2024/01/NTT利回り-8-2.png)
高すぎる配当利回りは
コロンビア政府の思惑なので
財務的な問題点からくる高配当ではないです。
政府の思惑が変わった際に
利回り低下を妥協できるなら
投資候補になりうる、おもしろい銘柄だと思います。
コメント
コメント一覧 (3件)
Xから来ました!
大変参考になり、有難いです。
Xからありがとうございます。
参考になりましたら嬉しいです!
ペトロブラスともに大変参考になりました。両社に投資しています。リスクは認識しているつおりですが、流動性があること、この高配当は魅力です。引き続きよろしくお願いします。