『一見安定しているが、
利益率・負債の動向が気になる銘柄』
- 安定した配当だが低利回り
- 過去5年レンジで割安
- 利益効率はいいが下落傾向
農機具メーカーの王者「クボタ」。今回はそんなクボタに投資をする上で最低限頭に入れておきたい7項目のファンダ分析と企業概要についてまとめていきます。
- 企業概要を知りたい
- PFに組み込むべきか知りたい
- 最低限のファンダ分析を知りたい
クボタ(6326)
農業機械、鋳鉄管とも国内トップ
トラクターや耕運機などの
農業機械の国内最大手であり
世界で3位の規模です。
国 | 比率 |
---|---|
北米 | 41.1% |
日本 | 22.5% |
アジア(日本除く) | 19.9% |
欧州 | 12.6% |
その他 | 3.9% |
海外売上比率 | 77.5% |
小型建機とエンジンも主力
鋳鉄管の製造技術を用いて
エンジン開発も主力です。
水・環境セグメント
水道用鉄管を開発し、
水インフラの設計・調達・施工・
メンテナンスまで一貫して提供しています。
ファンダメンタル分析
配当利回りに納得できるか
- 実質累進配当
- 物足りない利回り
- 推移が安定し連続増配
- 自社株買いに積極的
累進配当宣言はありませんが
実質累進配当銘柄です。
株主還元の中期目標
- 総還元性向40%以上を目標とし、50%をめざす
- 取得した自己株式については、即消却を継続する
2023年12月時点での
配当性向は23.8%と
余力を残した数値となっています。
余力があるため、
EPSが成長すれば
増配の期待が高い銘柄だと言えます。
目標は素晴らしいですが、あくまで目標は変更されると思っての投資も大切です。
目標が異なったことによる株価変動は、最近だとクミアイ化学の暴落が挙げられます。
配当利回りは
3%を超えておらず
2%前半を推移しています。
EPSは安定、成長しているか
- 長期で見ると右肩上がり
- 景気敏感セクターの中では安定
EPSは上下あるものの
全体的に見ると
緩やかな右肩上がりです。
しかし、クボタのEPSは
景気に振り回されておらず
敏感株の中では安定していると考えられます。
PERは5年レンジで低い水準か
- 過去5年で低い水準
2020年3月の株価は1410円でしたが
2021年2月時点では2554円まで
株価が上昇しました。
PBRは5年レンジで低い水準か
- 過去5年で低い水準
- 株価は下落傾向
- 純資産は増加
22年1月からPBRは下落
株価も下落傾向になっています。
一方純資産は増加傾向にあり
PBRの増加はその結果だと
考えられます。
PBRの減少理由
- 株価の下落
- 純資産の増加
売上高営業利益率は10%以上か
- 営業利益率は10%
- 年々減少傾向
- コストの高騰と米金利の影響
営業利益率は
平均すると10%を超えており
競争力は強いと考えられます。
利益率が低下している理由は
原材料コストの高騰が
原因の1つです。
また、米金利の増加も
営業利益の減益の
要因の一つだと考えられます。
自己資本比率は業界平均より高いか
- 業界平均よりも低い
- 有利子負債の増加
- 支払サイトにより借入
有利子負債が増加し、
自己資本比率も低下しています。
2023年度決算説明資料によると
有利子負債は2822億円の増加
しています。
長期的に借り続けるような
内容ではないため
一時的な増加だと考えられます。
ROEは業界平均より高いか
- ROEは業界平均より高い
自己資本比率が低いことも
影響していますが、
ROEは業界平均よりも高くなっています。
まとめ
『一見安定しているが、
利益率・負債の動向が気になる銘柄』
- 安定した配当だが低利回り
- 過去5年レンジで割安
- 利益効率はいいが下落傾向
一方、利回りは1〜2%台を
推移しており、高い数値とは言えません。
利回りよりも安定感
を求めるのに適した
銘柄だといえます。
営業高利益率と有利子負債の
今後の動向は気にしながら
増配を目標に仕込んでおきたい銘柄です。
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